Blender 2.9 3DCG モデリングマスター の感想

Blender 2.9 3DCG モデリングマスター を読みました

 Blender 2.9 3DCG モデリングマスター がとても分かりやすくてよい本だったので、紹介しようと思います。

 3Dモデリングの本はいくつか読んできましたが、基本的にある程度の3Dの認識力や、造形力が必要そうで、実際にモデリングソフトを動かして、作ってみようとは思えませんでした。この本では多くの場合、数値を入力して、定量的に、どの程度押し出すのか等が記されており、私でもなんとかなりそうと思えたので、最後まで実際に作成してみることにしました。 

 注意点としては、この本では造形までしかできないです。マテリアルを設定したり、ボーンの設定に関しては、説明がないのでメッシュモデルを作って他のアプリケーションで動かすには、他の場所で学ぶ必要があります。

この本で作れる(作ったもの)を紹介

将棋の駒

この本でまず最初に作るのは将棋の駒です、作っても他の何かに使う用途は余り思いつきませんが、最初の練習としては、よいものではないかと思います。ちゃんと将棋の駒の形にできたと思います。

風になびく旗

2番目に作る旗は、多少何かに使えそうかもしれません。この本で学ぶ技術とは違いますが、旗の部分に画像用のマテリアルを設定したり、モーフィングで動かしたりしたらおもしろそう。

この本では、ほぼ使われていませんが私は作成するとき、パーツごとに頂点グループに分けたりしていました。モーフィングさせたい場合には、その下のシェイプキーという機能を使います。

コンクリートブロック

Blenderの機能を駆使して、簡単に作成できるコンクリートブロックです。こういうブーリアン演算を用いた作成は、UnrealEngineや、Microsoftの3DBuilderでもできますね。

3DBuilder:https://www.microsoft.com/ja-jp/p/3d-builder/9wzdncrfj3t6?activetab=pivot:overviewtab

スプーン

柄の部分の長さまでは、指定されていなかったからだと思うけど、ずいぶん短いスプーンになってしまった。この本では、数値で指定されているものも多いけど、自身の感覚で行わなければいけない操作も結構あります。

生物全般はやっぱり難しいです。それでもこの本は比較的簡単に作れるように記されているとは思います。

ストロー

折れ曲がるストローです。カーブオブジェクトの使い方などは、ほとんど知らなかったので、この本で特に勉強になった部分の一つです。

 カーブモディファイアーの設定などは、他のアプリケーションで使うためのオブジェクトとして作るのなら、アーマチュアを使うべきか?

 無機物的なものに、ボーンを付けるイメージはあまりないけど、こういう髷の動作は、モーフィングでは、表現しずらいので、ボーンを付けてスケルタルメッシュにするべきなのかどうか。

パイプ椅子

ちゃんと作れていれば、ゲームとかのオブジェクトとして使えるかもしれないと思うパイプ椅子。私が作ったものは、背もたれが長く、座る部分がずいぶんと下に来てしまった。何度か作ればちゃんとしたものも作れそう。

折りたためるようにするのは相当難しいだろうと思う。

砂時計

砂時計、ゲームとかで使うなら、ちゃんと透明にして、砂が落ちるようにするべきだけど、どうすればできるかな、あんまり方法が思いつかない。使用するアプリケーション側で、パーティクルとかうまく使って表現するしかないかな。

ケーキ

ここからは中級編の内容、ケーキ。せっかくゲームとかで使うなら、切れるようにしたいけど。メッシュなんで、当然内部は空洞。切れるようにするには、どういう構造でどういう風に表現するのがベターかな。

六角ボルト

少し間違えたのかおかしな場所がある。

ビル

 ゲーム作成とかに使う場合には、こういう建物の類は、たくさんの種類を用意して、景観を作ったり、内部に入れるようにしたいところ。

サメ

ゲームとかでは、割と使われることが多いイメージのサメ。水の中に落ちたキャラクターとかに噛みつかせたり、したいところだけど、このサメは口を開けないので、噛みつかせたい場合には、口の構造は自身で改良する必要があります。

 この本の気に入っている部分の一つに、目をちゃんと球で作っているところがあります。生物の目を面を貼って表現している本も多いですが、個人的には、回転させられる球で表現するほうが好みです。

人物キャラクター

人物キャラクターと髪の毛で別の章になっていますが、ここでは、一つの完成系として両方行った後の3Dモデルを載せます。

後、最後でポージングや衣服のしわとかを表現する章がありますが、ボーンは用いないですし、他のアプリケーションで使いたいという場合にはあまり必要がないと思います。知識として持っておけば何かに使えるかもしれませんが。

私が、最も作成したかったのが、人間型のキャラクターで、個人的には、これだけ表現できれば十分人間だとわかりますし、本の内容を、やってみてよかったと思いました。

スカルプトモデリングを学ぶための章で、猫を作成しました。ただ、スカルプトモデリングには、どうしても造形力がなければ難しそうだなとは思いました。絵や、粘土細工がうまくできるような人には、こちらのほうが、やりやすいのでしょうけど、私のような画力0の人間には、なかなか厳しいモデリングでした。

人物キャラクターのポージングをしないのであればこれが最後の章です。

ついかでやったこと

本の内容自体はこれで終わりですが、本来の目的のために、人物キャラクターへのボーン設定や色付けをやってみたので紹介しようと思います。

キャラクターに色を付けてボーンを設定して、Unityで読み込んだりしました。化け物になりました。

ちなみに、色付けは、適当ですが。猫や人物キャラクターの造形は、うまく作れば、表紙のものと同じようなものが出来上がるはずです。

終わりに

私はある程度、最初からBlenderの知識があったので、人物キャラクターのボーン設定とかは、ほとんど何かを参考にしたりはせずにやりました。ただ、全く知識がない人にはなかなか難しいと思うので、Blender 2.9 3DCG モデリングマスター を終わらして、人物キャラクターへのボーン設定をしたい場合には、同じ作者の、「Blender 2.8 3DCG スーパーテクニック 」や、「Blender 3Dキャラクター メイキング・テクニック」を参考にしてみるのもよいかもしれません(「Blender 3Dキャラクター メイキング・テクニック」は古すぎて、Blenderのバージョンがかなり古いです。(Blender2.76))。 

 「Blender 2.8 3DCG スーパーテクニック 」は、キャラクターのボーン設定が、あらかじめサンプルとして用意されているものを利用しておこなっていたりしていたので、購入当時は、実際に動かしたりしようとは思いませんでした。テクスチャペイントの説明もあくまでテクスチャペイントの説明で、一応章で作成した剣にテクスチャペイントをしていますが。剣の作成過程としてのテクスチャペイントではなく、テクスチャペイントの仕方の説明に重点を置くような感じでしたので、実際に手を動かして作りたいなと思えるような構成ではありませんでしたが、Blender 2.9 3DCG モデリングマスター で作ったものに、テクスチャやボーンを設定する分には参考にできると思います。

  「Blender 3Dキャラクター メイキング・テクニック」は、純粋に難しすぎたので、私にはこなせないと判断して作るのを諦めました。下絵を用意して、ちゃんとした人物キャラクターを作成するための本です。絵をまともに書けない人には、かなり敷居が高いです。2021年7月現在、情報もかなり古いので、現在の機能と比較しながら進められる人じゃないとお勧めできませんが、ちゃんとしたキャラクターが作れると思います。

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